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千葉県長生郡の里山型樹木葬 森の墓苑

50年後に森に還る。都心から近い、千葉に出来た里山型樹木葬

森の墓苑新緑の森の墓苑

「森の墓苑」による自然再生墓

房総丘陵が続く千葉県長生郡長南町にある森の墓苑を訪問しました。森の墓苑は2016年に国内で初めて環境団体(公益財団法人日本生態系協会/池谷奉文会長)が手掛けた里山型樹木葬墓苑です。
"50年後には自然の森となる里山型樹木葬墓苑"は、圏央道市原鶴舞ICから10分、茂原長南ICから15分の場所に開園されました。

管理棟森の墓苑管理棟

森の墓苑開園の経緯(いくつもの偶然と必然から生まれた墓苑)

森の墓苑全景自然再生が始まった森の墓苑

森の墓苑はかつての土砂採掘場の跡地を利用し、階段状に広がっています。墓苑事業の開始前に、協会内では「自然保護のための森の再生事業、ナショナルトラスト」の議論が高まりました。しかし、森の再生には長い時間と多くの資金が必要となる事が課題でした。

森の墓苑が開始される前土砂採掘による荒地(開園前)

そこで、今後、需要が増す墓苑(墓地)事業に着目し、お墓として土地をを活かしつつ森を再生させることを決めたそうです。では、どこでその事業を行えば良いか探していたところ、同協会が過去に環境対策事業を行った事がある長南町に、自然が分断された土砂採掘の跡地が存在していました。

自然再生に向け植樹された若木若木は50年後に遺骨と共に森へと還る

いくつもの偶然が重なり、長南町に最適な土地があったことで、自然再生墓苑事業のスタートが出来る事となりました。『自然をこわさない墓地』=『本来の自然を取り戻す』を目指す基本コンセプトが必然として完成出来る事となりました。長年、環境保護に尽力してきた日本生態系協会だからこその自然再生を目指した樹木葬スタイルだと思います。

墓苑の特徴やプランについて(樹木葬では無く、森の墓苑)

現地スタッフ白井氏当日案内を頂いた白井氏(日本生態系協会)

当日は、公益財団法人日本生態系協会自然保全・再生墓地事業部の白井孝賢氏に案内をして頂きました。白井氏は学生の頃から、北海道でタンチョウをはじめ、様々な生き物や自然に関わって来られたそうです。(以下、白井氏からの説明です。)『私たちは園芸品種の木や花壇を整備して、ご遺骨を埋葬する・・・。 そのような樹木葬墓地を目指しているわけではありません。』

オシドリオシドリがやってきました

この土地に本来自生している在来種の木を森の墓苑周辺の山から種子を採り、墓苑内で育て、墓地に植える。亡くなった故人と故人を見送ったご家族、更には大切にしていたペットの思いまでも一緒にして、この地域に元々あった自然を再生します。 墓苑内には、大小様々な鳥の巣箱や、昆虫が住める虫宿などが設置されていて、大きな巣箱にはオシドリが巣を作り、草むらにはカヤネズミの巣も確認出来たそうです。

シンボルツリー墓標のひとつヤマザクラ

埋葬時は、墓苑周辺地に自生する二十数種類の木を墓標として選ぶ事が出来ます。ヤマザクラ、ヤブツバキ、ヤマツツジ、ウグイスカズラ、コナラなど苑内で沢山育てられていましたので、スタッフの皆さんからすると、木は大切な子供であり、成長を楽しみにしているように感じました。

ネームプレート個別墓ネームプレートwithペット(サンプル)

土に眠るだけで無く、土に還り、死して自ら自然(森)を再生する。各区画に一本ずつ植えられた苗木と合葬墓区画のシンボルツリーが50年後には、分断された山がひとつの森となり、自然を作り出す事になります。

墓地の種類

墓苑内には、2つの形態があります。個別墓に「ひばり、せきれい、うぐいす、みそさざい」の区画があります。そして、合葬墓の「こなら、やまざくら、りんどう」が用意されています。
50年後に、木々が成長し森となり、鳥がさえずり、季節の花が咲き、草むらには昆虫や小動物がいるそんな自然が回復した「森の墓苑」が目に浮かびます。

個別墓個別墓に植樹されている樹木

個別墓:価格は、662,000円~となります。
約1.5㎡の区画に自生種の木を植樹します。原則として1区画2名様の埋葬が可能です。(ペットも埋葬出来ます。)

合葬墓合葬墓に植樹されているシンボルツリー

合葬墓:価格は、305,000円〜となります。
シンボルツリーの周辺に200柱ほどが一緒に眠ります。約50cm四方の区画に1名様ずつの埋葬となります。区画内であればお好きな場所を選べます。(ペットも埋葬出来ます。)

どのような方がご希望されますか?

ヤマツツジ個別墓に植えられている ヤマツツジ

自然が好きで、植樹した木々の成長や自然の復活を楽しむ為の生前契約の方が多い様です。自然環境に関心があり、未来に自然を残し地球温暖化対策にも役立ちたい方など、作り手の思想を理解している方が多いようです。 申し込みの人数などは、おひとり様、ご夫婦一緒、家族だから大切なペットも一緒などのご希望者が中心になっている様で、子孫に面倒を掛けたくないと考えている方などです。

お墓なのか?自然保護活動なのか?それともSDGs(持続可能な開発目標)なのか?

森の墓苑から見た山森の墓苑が目指す自然林

答えは、もちろんお墓であり、里山型樹木葬となります。森の墓苑の考え方に賛同し、墓地を持つことは、結果として自然保護、再生であり、地球を救う。そんな壮大なビジョンに向けての第一歩のように感じました。

メジロメジロ 森の墓苑が作り出す生態系

同協会は「太陽の光、大気や空気、土、水そして野生の生き物」の5つの自然の要素で生態系は成り立っていると説明しています。私たちの身近なこととして、森の墓苑を通じて命を繋いでいく活動の根本が見えたようにも感じます。

森の墓苑を検討されている方へのメッセージをお願いします。

コバノガマズミ春から初夏に白い花を咲かせるコバノガマズミ

「人には、色々な考え方があるので、先ずは現地をしっかり見ていただく事が一番大事だと思います。現在、樹木葬にもさまざまなスタイルが存在しますので、自分自身のニーズを見定めて下さい。」また、「森の墓苑は、明るく楽しい墓苑作りを目指しています。自然が好きだ、木(自然)に興味があると言う方には最適ですし、今後、自然と親しむイベントも開催していきたいと考えています。そのような森の墓苑の特徴を理解して頂ける方には特にお勧めです。

八千草薫さんのベンチ財)日本生態系協会の理事を20年近く務めた八千草薫さん愛用のベンチが園内に設置されました

訪問を終えて

事務所森の墓苑のエコな管理棟内

最後に、白井氏に日本生態系協職員として、森の墓苑に携わる事に対して、どのように考えていますか?という質問をしてみました。すると、少しはにかみながら「森の墓苑を通じて、自分の生まれ育った地域の自然再生に貢献でき、やりがいを感じています。日々の管理では大変な事もありますが、契約者の皆さんをはじめ、イベント参加者の皆さんや地域の人たちと一緒に、森づくりを進められる事はとても楽しいです。 将来的に目指す森の姿は、森の墓苑と同じ町内にある笠森寺自然森のような常緑広葉樹林の森です。ここでの自然への僕たちの関わりは、将来自然が土地本来の姿を再生していくための手助けになります。そんな仕事に携われて、僕は幸せです。」とパーソナルカラーの緑色のジャンパーを着た笑顔がとても素敵でした。 みどりが多いと言うことと、自然が多いと言う事は違う事だと知りました。そして、お墓で自然を作る(還す)事が出来ると言う事にも驚きと感動を覚えました。

お参りされる方祈り

「今年は、春が早いから、ふきのとうが出てますよ!・・・。タラの芽もほらそこに・・・秋には、綺麗なりんどうが咲きますよ。」と目をキラキラさせて教えてくれたのは、生前予約をしている70代の女性でした。
この女性が予約した墓所には、冬でも緑色が鮮やかなヤブツバキが植えてありました。四季折々に届く、森からのお手紙を楽しみにしているようでした。森の墓苑には一日中、暖かい太陽の光が降り注ぎ、とても心地良い訪問となりました。帰路では、アクアラインからの富士山が夕日に映えてとてもきれいでした。

樹木葬霊園情報

霊園名

森の墓苑

住所

〒297-0144 千葉県長生郡長南町市野々815-2

アクセス

【電車でお越しの方】
JR外房線茂原駅からタクシー25分
【車でお越しの方】
圏央道茂原長南IC、市原鶴舞ICから15分、カーナビ マップコード「130 283 484 *71」で検索

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